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院長ブログ

不治の病が治る時代

先日、このような発表がありました。

<ES細胞から網膜作り成功 世界初>
体のあらゆる組織や臓器になるとされる「ES細胞」から、人の目の網膜を世界で初めて作り出すことに神戸市にある理化学研究所のグループが成功し、国内に数万人の患者がいる網膜色素変性症などの新たな治療法の開発に役立つと期待されています。

神戸市にある理化学研究所の発生・再生科学総合研究センターなどの研究グループは、立体的な細胞のかたまりを作る独自の技術を使って、ヒトのES細胞から網膜のもとになる組織、「眼杯」を作り出しました。40日ほど培養したところ直径およそ5ミリ、厚さ0.3ミリほどのおわん型をした網膜に成長したということです。

この網膜は、光を電気的な信号に変える視細胞や電気信号を脳に伝える神経細胞の膜が何層にも重なるようにできていて実際に光を感じる機能があるとみられています。

ES細胞からヒトの網膜ができたのは世界で初めてで、国内に数万人の患者がいて失明のおそれのある網膜色素変性症など目の病気の新たな治療法につながると期待されています。

研究グループの笹井芳樹ディレクターは「今後はこの網膜が実際に機能するか大型の動物で確かめ、失明した患者への網膜の移植など人への応用を早期に実現させたい」と話しています。
(NHKニュース)

以前も取り上げたことのある、私も最も期待する(おそらく世界中の研究チームで最も進んでいる)理化学研究所の新たな業績です。

人工網膜の研究に携わっていた私の実感ですと、実際の治療に応用できるようになるまで、あと十年~数十年はかかるでしょう。どれだけの回復が得られるかも今のところ全くの未知数です。でも、これは、間違いなく一筋の光です。希望の、そして前進の一歩です。

個人クリニックの開業医として、受身で「待つ」ことしかできませんが、待ちましょう!網膜色素変性症で一度視力を失った患者様が、笑顔で報告に来てくれる、そういう時代を。

がんばれ!理化学研究所の研究者のみなさん。