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院長ブログ

ノーベル賞と眼科の関係

先日、ノーベル医学生理学賞を京都大学の山中伸弥教授が受賞されたとの報道がありました。

それを聞いて、その研究の成果と今後の多大なる貢献(期待)が、世界でも正当に評価されて本当によかったと思いました。

山中先生は、iPS細胞を世界に先駆けて研究開発されたことは、多くの報道でご存知のことと思います。
iPS細胞からの発展が期待されている「再生医療」は、私が関わっていた「人工網膜」とも密接に関係していましたので、その研究の成り行きは常に気になっていました。ダメージを受けた網膜に人工的な電気刺激を与える「人工網膜」に限界を感じていた私は、むしろ日本生まれの研究であるiPS細胞を使った網膜再生の方が、身内びいきではなく、客観的に将来性があるのではないかと思っていました(過去のブログへ→「日本眼科学会」「不治の病が治る時代」)。

そのすばらしい業績は関係者には理解されていたでしょうが、それでも日本での研究は設備や研究費の点でアメリカなどには大きく劣ります。特に将来性のある、そして「儲け」が見込まれる研究には、我も我もと特許を取るために、優秀な人材をそろえ莫大な研究費をかけて(例えが悪いですがハイエナのように)挑んできます。山中先生のように、「医学の将来ために」「苦しんでいる患者様のために」という純粋な志は、その強大な「市場原理主義」に埋もれてしまうことが多いのです。その結果、日本をはじめ世界中の病に苦しむ人々が、「妥当な治療費」で最先端の治療を受けることができなくなる、などということにもなりかねません。

今回の受賞で、日本の一般の方にも山中先生の業績が知られ、より優秀な人材と、豊富な資金が集まり、それが将来誰もが平等に受けられる難病の治療につながってゆくことを願ってやみません。

山中先生、本当におめでとうございます。