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院長ブログ

2014年の花粉症はなぜ猛威をふるったのか?

人工眼の解説の続きを書こうと思っていたら、猛威をふるった花粉症により開院以来例を見ないほどの患者様が来院され、忙しさにかまけてここまで伸びてしまいました。予定していた解説は次回にして、今年はなぜこれほど花粉症がひどくなったのかについて、検証してみます。

花粉症はスギ花粉に対するアレルギー症状です。当然花粉が多ければ症状は強くなります。

「環境省は19日、今年のスギとヒノキの花粉の飛散量は「例年や昨年に比べて非常に多かった」と発表した。本州、四国のほとんどで非常に多い状態がまだ続いているが、5月上旬までには終息するという。
昨年の夏の気温が高く、花粉を放出する雄花が増えたことが主な原因。雨の日が少なく、花粉が雨に流されなかったことなどから、飛散量は環境省の当初予測も上回った。特にヒノキの花粉が多かった。
11日までの集計で、スギとヒノキの花粉の飛散量は和歌山市と高松市で過去10年の平均と比べて4倍超になった。ほかに17県の観測点で2倍以上だった。飛散が少なかった昨年と比べると、水戸市、さいたま市、名古屋市、高松市では6倍を超えた。(4月19日、共同通信)」

実は一昨年も今年と同様、前年の夏が暑く、花粉が大量に飛びました。3月11日の震災のあった翌日の土曜日でさえも、多くの患者様がご来院されたので良く覚えています。ですが今年は、特に目の症状が激烈な方が多く、中でもお子様の症状が本当に悪くなっているのが印象的でした。今年受診されて花粉症と診断されたお子様で、最年少は2歳!これは今までになかったことです。

そこで、その真犯人とウワサされるのが、今年何かと物議をかもした、“アレ”です。

「中国で発生したとみられる微小粒子状物質「PM2・5」が日本国内で観測されている問題で、花粉症を引き起こすスギ花粉の飛散との“二重攻撃”に悩む人が増えている。20日には西日本から東日本にかけて黄砂の飛来も確認されている。PM2・5は花粉と結びつくことで健康被害が悪化する可能性が指摘されるが、黄砂による被害の悪化は確認されていない。専門家は「過度に恐れることはない」と冷静な対応を呼び掛けている。(3月21日、産経ニュースより抜粋)」

しかし、実際にはまだその関連性の科学的根拠は乏しく、真犯人と決めつけるのは早そうです。

喘息(ぜんそく)などのアレルギー疾患が、ディーゼル粉じんのような微粒子とアレルギー源になる物質を同時に与えることで悪くなることは動物実験で証明されていて、日光市の疫学調査では「交通量の多いところほどスギ花粉症の被害が大きい」と結論付けられているそうですが、なぜそうなるのかは科学的に証明されていません。

医師は科学者ですから、証明されていないけれど「どうもその傾向がある」ことを堂々と主張する事はできません。でも私は、経験からくる「カン」も、診断や治療には大切だと思っています。

科学的には検証できませんでしたが、「今年の花粉症は、何か違った」これは自らの花粉症経験を踏まえて、感じたことです。花粉だけではない何かが、作用していたのは間違いない・・・これが今年の花粉症を経験した私の「勘」もしくは「感」でした。

今年発症してしまった方々、特にお子様たちは、来年は早目に対処して、私と一緒にまたつらい時期を乗り切ってくれれば良いなと思います。

次回は人工眼の仕組みを解説いたします。