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ドライアイ、眼精疲労、シェーグレン症候群など
目の表面は、すべての生き物が海で生活していた頃のなごりで、常に濡れていなければなりません。その重要な役割を果たしているのが「涙」です。
ところが、現代ではこの「涙」の存在が危機に瀕しています。それは奇しくも、地球温暖化で人間も含めた生き物たちが危機に瀕しているのと時を同じくしています。
はっきりした原因は分かっていませんが、疲労、ストレス、睡眠不足、大気汚染、エアコン、コンタクトレンズ装用など、環境要因が大きいと言われています。また、全身の病気でおこることもあります。
涙は単に目の表面を洗い流す役割だけでなく、まぶたと目の間の潤滑剤、目の表面への酸素や栄養分の補給など、いくつもの重要な役割を担っています。それが少なくなることで、目にさまざまなトラブルが起きてきます。
ドライアイというと、単純に「眼が乾く」「ゴロゴロする」という症状が浮かびますが、実は正反対の「いつも涙っぽい」のもドライアイが原因のことがあります。
眼の表面は涙のうすい膜でおおわれることで、外気にさらされることなく守られています。特に「角膜」と呼ばれる黒目の表面は非常に敏感なため、涙の膜でおおわれることが大切です。
若いうちは涙に「ねばり気」があるので、しっかり眼の表面にへばりついて守っていますが、年齢を重ねるにしたがって、涙の「ねばり気」が少なくなり、サラサラの涙になってきます。すると、以前は目の表面に張り付いていた涙が、重力に引っ張られて全体的に下に落ちてくるため下まぶたのふちにたまります。そのため涙がたまった状態とおなじになり、なおかつ守られるべき黒目の表面が露出して、ちょっと風が吹いただけで敏感な角膜を刺激しますので、あとから後から涙が出てきます。それが「いつも涙っぽい」状態を引き起こすことがあるのです。
もちろん涙が本当に出やすい、また涙が鼻に抜けていく細いくだが詰まってしまい、涙目になることもあります。これらは簡単な検査でわかりますので、お困りの方はぜひ当院を受診してください。
また、目に小さなカップをかぶせて目を洗うタイプの洗眼器は、使いすぎるとドライアイを引き起こすことがあります。必要な涙まで洗浄剤が洗い流してしまうためです。私は毎日朝晩使うのは使いすぎと思っています。週に数回、気になる時に使う程度でよいでしょう。毎日目を洗うのであれば水道水でも問題ないと思います。流水であればなるべく水が目にあたる圧がかからないように、シャワーを上向きにして噴水状になった頂点で顔を伏せて洗うのがおすすめです。
つかれ目によく効くとうたわれた、スーッとする目薬が売られていますが、この目薬で治る程度のものは「眼疲労」と呼ばれます。
反対に、いくら市販の目薬をつけても改善しない目の疲れや、それに首、肩、腰の症状をともなう場合を「眼精疲労」といい、明確に区別しています。
パソコンのモニターやそこから打ち出された字の細かい書類、ゲームや携帯メールなどを長時間見る環境にあるわれわれにとっては「現代病」「職業病」ともいえるものです。特に最近では、精神的ストレスが関わっていることが多いとわかってきています。
もっとも有効な治療はその原因を取り除くことですが、「ストレスをためるな」「仕事をやめろ」というのはしょせん無理なことですので、できるだけ環境を整えるように手助けをいたします。具体的には、眼鏡やコンタクトレンズの適切な調整、ピント調節改善剤(目薬)の処方、そしてドライアイでも同様の症状が起きることがあるので、その有無の確認と点眼薬の処方です。
