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院長ブログ

日本眼科学会

昨日、東京フォーラムで開催されている日本眼科学会に出席してまいりました。

学会というのは、日ごろの診療や研究の成果を発表し、意見を交換するための集まりで、今回の学会はその中でも最大のもので日本国中から眼科医が参加します。眼科に関するすべての事がテーマになりますので、発表や講演の数も膨大なものです。

その中でもとりわけ私が気になっていたのが、アメリカで留学中にも研究のテーマだった「再生医療」です。今回特に印象的だったのは理化学研究所の高橋政代先生による「網膜色素変性と再生医療」でした。「網膜色素変性」は、その多くが遺伝性で進行性の病気で、失明にもいたる病気ですが現在有効な治療方法はありません。高橋先生は、ES細胞やiPS細胞の研究でノーベル賞候補の呼び声高い京都大学の山中伸弥教授のグループで眼科分野のリーダーをされており、細胞移植による網膜疾患の治療の研究をされています。その研究に対する取り組みや将来の明確なビジョンなど、今学会の並みいる研究者の中でも圧倒的な存在感とオーラを放っていました。ただ、その先生をもってしても移植による網膜再生を実現する道はまだまだ険しく、先生の言葉を借りると2つの意味で、「もはや夢ではない」とのことです。つまり、実現には程遠いほどの「夢」ではないが、なんでもかなえてしまう「夢」のような治療ではないということでした。

実際に患者さんの治療に応用できるまでにはまだまだ時間がかかりそうですが、世界の最先端の治療を、是非日本で実現させ、早く当院におかかりの患者さんにもその治療を受けていただける日が来るようになってほしいものです。