「同業者」と聞いて、みなさんどんなことを思い浮かべますか？
例えば、「ラーメン屋さん」としてみましょう。そのお店の周りに「同業者」が出店しました。そうするとやはり「ライバル」という位置づけになり、お客さんの取り合いにもなりかねません。
ですが、「同業者」が5軒出店して、それぞれが個性的で、しかも5軒ともおいしかったらどうでしょう？それはその地域全体が「ラーメンの街」として認知されて、お客さんがより集まる、魅力的な場所になるかもしれません。集客の相乗効果も期待できます。
私たちクリニックの「同業者」はもちろんクリニック（病院）です。同じクリニックといっても、当院のような眼科もあれば、内科、小児科、整形外科、耳鼻科、皮膚科、脳外科…など多くの診療科があります。東戸塚周辺の「同業者」が、それぞれが魅力的であれば、すなわちそれは「東戸塚は住みよい街」として評価されるのではないかと期待しています。ですが、そのためにはまず自分たちが「魅力あるクリニック」であり続ける必要があります。
私とスタッフは年に数回、診療のない日曜日に都内に出かけ、全国から「同業者」が集まる勉強会に参加しています。そこでは日々の診療で実践している工夫や改善、最新の情報などを共有し、各自が持ち帰ってその後実際に自分のクリニックでも実践することにしています。
毎回20以上の事例を持ち帰ってきますので、年間では50～100項目の工夫、改善などを実践しています。その中には患者様からみて明らかに分かる工夫もありますが、目立たない、見えない細かな工夫や改善の方がずっと多いです。ですがそれをすることによって「患者様1人あたり30秒待ち時間が短縮できた（→1日80名とするとトータル40分も短縮）」「院内で気持ちよく過ごしていただくことができた」「何気ないお声がけが喜ばれた」という結果につながります。
2年前のブログ（→クリックでリンク）にも書きましたが、私が参加しているある勉強会で、当院は年間MVPも獲得したこともありますし、別の勉強会では私や当院スタッフが参加者全体に向けての講演を依頼されたこともありました。
実は先日、嬉しいことがありました。視力検査で受診されたお子様のお母様が、診察室で名刺を差し出され自己紹介されたのですが、ご自身小児科医をされていて、東戸塚からやや離れたところで同じ小児科医のご主人様と開業されているとのことでした。そこで、当院で取り入れている診療の工夫は大変参考になり、ご自分のところでもいくつか取り入れて、成果をあげているため、今度改めてぜひお話しを伺いたいとのお申し出でした。そして何と、ご自分のクリニックの患者様にも「東戸塚に良い眼科がある」と当院を薦めてくださっているのだそうです。
日々の取り組みを「同業者」から認められることは、私たちにとって何よりの喜びです。そして「見てくれている人は、ちゃんと見ているんだなぁ」と実感し、身の引き締まる思いでした。その小児科のご夫婦は常日頃からそのような目線で物事を見ているのでしょう。きっとその小児科さんも、素敵なクリニックに違いありません。
今後はご受診される患者様にも、「こんな工夫していて素敵ね」とお褒めの言葉をいただけるように、日々頑張ろうと思う出来事でした。
