みなさん、「シニア毛」って聞いたことありますか？歳を重ねると、眉や耳、鼻の穴に目立つようになる長い毛のことです。
有名なのは、元首相の村山富市さんの眉毛（まゆげ）でしょう(笑)。
これは首相時代の写真ですが、なんと今年で御年99歳！ここまで伸びると、「立派な眉毛」ですよね。
私も最近床屋さんに行くと、「1本伸びた毛がありますね」と顔そりの際についでにチョキチョキしてくれます。なぜか1本だけ長く伸びているようなのです。
そして、耳の穴から生えてくる「耳毛」は、世間的にはいわば「オジサン」の象徴で、かつては（今も？）嘲笑の対象になりました。
ではこの眉や耳、あるいは鼻毛は、なぜ年齢とともに長く伸びるのでしょうか？
体に生える全ての毛には「毛周期」という、生え替わりの周期があり、毛髪、体毛、眉毛、睫毛（まつげ）、鼻毛、耳毛と、それぞれに周期が決まっているそうです。
ところが年齢を重ねると、発毛する細胞の衰えとともに、本来抜け落ちて生え替わる毛が抜け落ちず、生え替わらずにそのまま伸び続けるようなのです。若いうちは産毛（うぶげ）のうちに抜けて生え替わっていたものがなかなか抜けず、太く濃く成長するため、長く伸びてしまっているように見えるとのこと。しかもこれは男性特有の現象だそうです。
患者様でも、眉毛の一部が目に入るくらいに伸びている方がおられます。診察にも影響しますので、そんな時は、ご本人に気付かれないように診察をしながら、そっと目に入らないように、持ち上げてどかして差し上げます。
あまりに伸びてしまうと、その方の清潔感にも影響しますので、無理に抜くのではなく、眉毛も耳毛もハサミやカミソリでカットするのがよいそうです。そういえば同じ床屋さんで、最近私が頼みもしないのに、耳元で小さな電動バリカンのようなもので「ウィーン」とカットしてくれているのは、「耳のシニア毛」処理だったのかも…。私も気をつけなければですね(笑)。
因みに、当院の公式YouTubeで、「まゆげって、どうしてあるの？」を説明しています。眉毛って何か役に立っているのでしょうか…？よろしければ、どうぞご覧ください。
