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眼科専門医による目の解説

2025/06/17

シリーズ緑内障「目薬の種類について」

こんにちは。「愛をこめて、あなたのeyeを守ります」東戸塚駅西口すぐにあります、片桐眼科クリニックの院長、片桐喜彰です。

 

検診で「視神経乳頭陥凹拡大」を指摘され、眼科で受診したら緑内障と診断された。

まずは目薬で様子を見ましょう、と目薬を処方されましたが、効果が不十分なため2つ、あるいは3つに増えましたが、いったいどんな目薬なのかわからないことが多いです。そこで今回は目薬の種類についてお話いたします。

 

まず、全ての目薬が「眼圧を下げる」ことを目的としています。それが基本。

効き方として3種類あります。

 

タイプ① … 房水を作らなくするもの

タイプ② … 排水を促すもの(副流水路)

タイプ③ …     〃  (主流水路)

 

房水を作らなくするものと、排出を促すものに分かれ、排出を促すものも仕組みが2つ(タイプ②タイプ③)に分かれます。1つで不十分な場合、2つ、3つを組み合わせるのはこのためです。

 

 

●プロスタグランジン製剤(PG剤)

現在主流な目薬。今あるお薬で最も眼圧を下げる効果が高いためこれを1番に使います。

【効き方】タイプ② 排出を促す。1剤で済む場合も。

【副作用】 ・まつげが延びる

      ・目の周りが黒ずむ

      ・上まぶたが落ちくぼむ

 

●β遮断薬

かつて主流だった目薬で、現在は2番目の薬として追加で処方されることが多いです。

【効き方】タイプ① 房水を作らなくする。

【副作用】 ・血圧低下

       ・脈が遅くなる

       ・気管が狭くなる・・・心臓や呼吸に問題がある方は使えません。

 

●炭酸脱水酵素阻害剤

内服薬もあり利尿作用があるので、体の外に水分を排出させる。

【効き方】タイプ① 房水を作らなくする。

【副作用】効果が弱いぶん副作用も少ない。

 

今は、これらの薬のうち、2種類が一緒になった「合剤」もあり、使う薬の種類を減らせるようになってきました。

 

●ROCK阻害薬

比較的新しいお薬です。3番目の薬の選択肢として選ばれることが多い。

【効き方】タイプ③ 排出を促す。

【副作用】充血がとにかく目立つ。

 

その他にも「副交感神経刺激薬」「交感神経刺激薬」などがありますが、最近はあまり使われません。大切なのは、出された目薬それぞれを、決められた回数、そして毎日きちんと使うことです。

 

片桐眼科クリニック 緑内障の診療についてはこちら >>

 

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