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院長ブログ

ゾウのコンタクトレンズ

眼科医としては見過ごせない?興味深い記事がありましたので、ご紹介します。

「ゾウにコンタクトレンズ」
オランダ・アムステルダムの動物園でこのほど、目を傷めたゾウがコンタクトレンズを装着する手術を受け、地元メディアは「欧州初のコンタクトレンズを着けたゾウ」が誕生したと報じた。
オランダ・メディアや動物園側によると、44歳でメスのウィンティダは飼育場で他のゾウとけんかした際に左目の角膜を損傷し、痛みで目を開けられなくなった。
傷ついた目を保護するために獣医師がはしごに上り、約1時間かけてコンタクトレンズを装着。事前に訓練を受けていたウィンティダは、痛み止めの麻酔をかけられ、立ったまま手術を乗り切った。
動物へのコンタクトレンズは通常、白内障で視力が悪化した馬などに装着されているが、ゾウでは珍しい。(1月27日東京新聞夕刊より抜粋)

黒目の角膜にひどい傷を付けてしまった場合、まばたきや目を動かすたびに、まぶたと傷がこすれ合うので、余計に痛くなってしまいます。そのため、皮膚に傷に絆創膏を貼るのと同様に、コンタクトレンズで角膜の傷を保護しながら治癒するのを待ちます。

ヒトでは使い捨てのソフトコンタクトを使いますが、ゾウではどこの会社がどんな素材で、どうやって作るのかと不思議に思いましたが、すでに調べていた先生がいらっしゃいました(→クリックでリンク)。アメリカではビジネスとして成り立つくらい、需要があるのでしょう。

角膜は透明な組織で、レンズの役割もしています。ひどい傷をつけたり、コンタクトレンズの使い方を誤ると、透明な状態が保てなくなり、視力が落ちてしまいます。最悪の場合は角膜を移植しなければなりませんが、日本でのドナー(提供してくださる方)の数は十分確保できているとはいえません。痛み、充血などの異常を感じたら、早目に眼科を受診することが大切です。