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院長ブログ

漫画、マンガ、manga

みなさん、漫画(マンガ)はお好きですか?

私が子供の頃、なぜか我が家にはテレビがありませんでした。もともとあった白黒テレビ(!)が壊れた後は買ってもらえず、中学2年までテレビなしの家庭で過ごしました。その代りではないのでしょうが、本は好きなものを買ってもらえました。今思えば、漫画にも比較的寛容で、「オバケのQ太郎」や「ドラえもん」の藤子不二雄、「ブラックジャック」や「火の鳥」の手塚治虫、「ドカベン」の水島新司や「まことちゃん」の楳図かずおまで、かなり幅広く読ませてもらっていました。週刊誌では、私が小学生高学年のころに「キン肉マン」や「Dr.スランプアラレちゃん」も連載が始まったように記憶しています。

中学高校では「週刊少年○○」、大学生では「ヤング○○」そして大人になって、多忙を極める研修医になってからも、「ビック○○×××」などという隔週発売されるような漫画雑誌を隙間時間で読みふけっておりました。ページを開けばすぐに現実逃避できるので、忙しい時だからこそ頭を休めるのにちょうどよかったのかもしれません。また、漫画から社会問題や世界情勢を学んだり、大人のたしなみを知ったりと、得られるものも多くありました。

今や漫画は「manga」として世界を席巻し、多くの国で翻訳された漫画が読まれているようですね。以前、NHKの番組「ドキュメント72時間」では、フランスのパリにあるマンガ喫茶が取材されていましたが、日本でおなじみの漫画をフランスの子供も大人も夢中になって読んでいる姿が印象的でした。

私がこれまで読んだ作品で、大切にしたいものは単行本で購入し、自宅に置いてあります。「ドラえもん」「はだしのゲン」「キャプテン」「おーい、竜馬」などなど…その中に、わたせせいぞうの「ハートカクテル」があります。

これは漫画としては連載でも4コマ漫画でもない異色の「オールカラー、読み切り短編大人のラブストーリー漫画」とでも言いましょうか、色鮮やかなイラストレーションのように描かれた絵に、毎回甘かったり苦かったり酸っぱかったりの、ちょっと斜に構えた大人の物語が展開されます。わたせさんのイラストは今でも駅のポスターやCMなどに使われていますので、見覚えのある方も多いと思います。

まだ少年から大人になりかけていた頃の私は、「ハートカクテル」の世界観に心から憧れていました。主人公が身につけているのと同じ色、おなじ形の服やバッグを探して購入したり(実在するかわからない、漫画と同じ柄、形、色合いのものを探すのは大変でしたが…)その漫画に登場する景色を探し求めたり、ところどころ物語の場面に出てくるBGMのCDを購入したり…。

先日、ひょんなことから、東京の白金台にわたせさんのギャラリーがあることを知り、額縁入りの絵もインターネットのサイトから購入できることが分かりました。是非行ってみたいのですが、なかなか伺う時間が取れません。あの頃を思い出しながらサイトを見ていると、とても素敵な版画を見つけました。ギャラリーで実物を見てから、と思ったのですが、あ、200部の数量限定…なくなったどうしよう…。

ということで、ギャラリーに訪れるよりも前に、版画を購入してしまいました。そして当然のように、診察室の一番目立つ部分に飾ってみました。

毎日この版画を眺めては、若かったあの頃を思い出し、当時と同じだけ(のつもり)の気力、体力を振り絞しぼりながら、日々の診療にあたっています。