”道に倒れてだれかの名を~ 呼び続けたことがありますか~♪”「わかれうた」by 中島みゆき
”ふたりで、ドアを閉めて~ ふたりで、名前消して~♪”「また逢う日まで」by 尾崎紀世彦
”名前は? そう、あだ名ならあるわ~♪” 「東京ララバイ」by 中原理恵
以上、私が「名前」と聞いて思い出す昭和の名曲たちです。ところが、昨今ではこの「名前」に関する環境も様変わりしてまいりました。
あるクリニックさんの口コミに、こんな内容が投稿されていました。
「今どき患者を名前で呼ぶなど、時代錯誤だ」
なるほど…手厳しいですね。プライバシーや個人情報保護の意識が高まっている今日この頃、そのように感じられる方もいらっしゃるのはよくわかります。確かに、クリニックによっては渡された番号札の番号でお呼びするところもあるようですね。
コンビニやスーパーの店員さんの名札も、以前はお名前だったのが「スタッフ」とだけ書いてあるのが当たり前になりましたし、お店などのホームページに「スタッフ紹介」ページがあっても、イニシャルやニックネームのみで、顔写真もなかったり似顔絵だったりすることが増えました。実際の名前や顔写真を載せると、それを悪用する人がいたり、実際に被害に遭うケースがあったから、安全面を考慮してそのような傾向になっているのでしょう。
さて、振り返って当院では、まったく時代に逆行しております。
患者様のお呼び出しはお名前(フルネーム)です。スタッフも全員、実名の名札をつけていて、さらにそこには近況や趣味に関することまで記載しています(「ウクレレ始めました」:院長、「○○のファンです」、「○○行ってきました」など)。ホームページも全員顔写真が載っており、しかも「顔出しOK」が当院の入職条件にもなっております。なぜか?

まずは患者様の取り違えを絶対にしないこと(同姓同名の方が院内にいたら、必ずお誕生日まで確認いたします)。そして最も大切なのは、私たちは患者様お一人お一人とのコミュニケーションを大切にしたいと考えているからです。「○○さん、最近いかがですか?」「○○さん、症状はよくなりましたか?」「○○さん、先日いらした息子さんは受験頑張ってますか?」そしてあわよくば「○○(スタッフの名前)さん、相変わらず元気そうだね」「○○さん、あなたがいてよかった」「あら、○○さん、△△のファンなの?私も~!」なんて患者様からお声がけいただきましたら、こちらもその日1日嬉しくなってしまいます。それが「〇番の方」「スタッフさん」では、とてもそのようなコミュニケーションはとれそうにありません。こちらの名前をお知らせして、患者様のお名前をお呼びすることで、今日その患者様を自分が担当するんだという責任感も生まれます。
今月のスタッフ間での目標は「1日1人(かそれ以上)、患者様のお顔とお名前を覚えよう!」です。カルテを確認しなくても、ご来院されただけで「○○さん、こんにちは!」とできるだけ多くの患者様にお声がけできるよう(お声がけできなかった患者様、どうかご容赦ください)私も含めスタッフ一同努力してまいります。どうぞご理解のほど、よろしくお願いいたします。
”呼びかけよ~う 名前を 素晴らしい 名前を~♪” 「Beautiful name」by ゴダイゴ
なお、「名前では呼ばれたくない」「余計なコミュニケーションも不要」という方はぜひ受付時にお申し出ください。ご要望にはしっかりと対応させていただきます。