前回の「舌下免疫療法」のブログから約2か月、大変残念なお知らせです。
6月に発売予定だった舌下免疫療法に使用するお薬「シダトレン」の発売が延期になりました。
当院では発売に合わせて治療が開始できるように準備を進めていた矢先でしたので、本当にがっかりしました。
国民病と言ってもよいスギ花粉症治療に、有用性も安全性も高いと思われるこの薬が、来年の花粉症の時期を見据えた6月と言うタイミングに出せないのは、患者の皆様にとっても治療に当たる我々にとっても大変な痛手です。
以下、発売元の鳥居薬品のホームページからの抜粋です。
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鳥居薬品株式会社(本社:東京、社長:髙木正一郎、以下「鳥居薬品」)は、スギ花粉症を対象とした減感作療法(アレルゲン免疫療法)薬「シダトレン®スギ花粉舌下液」(以下、「シダトレン®」)について、2014年1月17日、「スギ花粉症(減感作療法)」の効能・効果で製造販売承認を取得し、4月または5月の薬価収載に向けて対応してまいりましたが、今般、5月までの薬価収載を見送ることとしました。10月以降の発売に向けて努力を続けてまいります。なお、これに伴う当期(2014年3月期)の業績への影響はありません。
鳥居薬品は、シダトレン®がスギ花粉症治療の新たな選択肢として貢献できることを期待しており、早期発売へ向けた努力を続けてまいります。
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製薬メーカーの、新薬発売までのプロセスの詳細は、医師の私にはわかりません。これまでの経緯をみると、鳥居薬品はこの薬を世に出すことに、大変前向きに、真摯に取り組んできたようには思いますが、残念ながらこれでは説明不足の感が否めません。
最近ではテレビなどにもさかんに取り上げられ世間の注目を集めていた矢先だったにもかかわらず、マスコミによる今回の発売延期の報道や、なぜそうなってしまったのか検証する報道がほとんどないことも腑に落ちません。
花粉症治療に当たる医師として、そして私自身花粉症患者として、これ以上滞ることなく発売されることを切に望みます。そして当院では引き続き、発売と同時に治療を始められるよう、準備を継続していく所存です。詳細につきましては、このブログや、当院のfacebook、お知らせメールなどで随時告知していく予定です。