今年は2月23日の暖かくなった頃から花粉症が本格化しています。例年より始まりが早かったため、「初期療法」で対処する間もなく、症状が悪化している方が多いようです。
飛散量が昨年の2倍という予報通り、花粉症がひどかった一昨年と同じペースで、受診される方が増加しています。
特に症状がひどくなっているのが、子供たちです。今まで症状がなかった、あるいは軽かったお子さんも、かゆさに耐えきれずこすってしまうので、目の周りまで真っ赤に腫らして次々に来院されます。中には白目が水ぶくれのようになってしまうこともあります。
症状がひどくなると薬が効きづらくなり、子供でも大人が使うような強い薬を使わざるを得なくなりますし、それでも症状がよくならない場合もあります。
実は花粉症の目薬や内服は、あくまでも症状を「やわらげる」ためのもので「治す」ものではありません。
薬だけで花粉症に対処しようとするのは、例えるなら、たくさんの蚊がいるジャングルに、虫刺されの薬ひとつもってさまよっているようなものです。
症状を悪くしない花粉症対策の基本は、薬を使うことだけではなく、「花粉を避けること」です。
<ご家庭での対策=花粉を侵入させない>
・自宅の窓は開けないか、極力開けないようにする
・布団や洗濯物は外に干さない
・帰宅時には玄関に入る前に上着やズボンについた花粉を払い、入ったらすぐに脱ぐ
・帰宅後はできるだけすぐにシャワーや入浴、洗顔で花粉を洗い流す
・毎日、床には掃除機をかける
特にベッドや布団にまで花粉を持ち込んでしまうと、寝ているうちに目のかゆみ、鼻水、鼻づまりなどが悪化し、朝にはひどい症状になっていることが多いようです。
<外出時の対策=花粉を身につけないようにする>
・マスク、メガネ(ゴーグル)、花粉の付きにくい上着を着用する
・ファーやボアつきの上着、ウールのマフラーや帽子は着用しない
・目的地に着いたら花粉を払う。可能なら洗顔する
・不要な外出は避ける
すべて当たり前のことですが、いざ実践するには大変な労力を要することはわかります。しかしただ薬を使うだけよりも、確実に症状を抑える効果は上がります。また、ご家族のどなたかが花粉症なら、他の花粉症でないご家族も協力する必要があります。特にご自分が花粉症でないお母さんは事態の深刻さに気付かず、対処を怠っているためお子さんの症状が悪くなるケースを多く見受けます。
ちなみにこの時期の私の出勤スタイルはこんな感じです。院内に入るときはブラシで花粉をできるだけ落とします。その時から入口の空気清浄機もフル活動です。当院ではさらに今シーズン掃除機を買い替えました。小型ですがパワフルに花粉を吸いこみます。院内の花粉を最小限に抑え、患者様が来院時にできるだけ不快な思いをされないようにしています。
症状が悪くなりがちな今年は特に、ご自分や大切なお子様のためにも、ぜひ実践してみることをお勧めいたします。そのうえで目薬や飲み薬を使うと、さらに効果的です。
その他詳細は下記の当院ホームページでもご確認いただけます。
・花粉症対策について→(クリックでリンク)