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院長ブログ

「舌下免疫療法」治療中の方へのアンケート2018

2016年に行いました舌下免疫療法治療中の方へのアンケートに倣って、今回は2018年の今シーズンを振り返ってアンケートを再度行いましたので、その結果をお知らせいたします。ご協力いただきましたのは、現在当院で舌下免疫治療を受けている方で、2017年12月までに治療を開始した31名のみなさんです。

<アンケート内容と結果>
問1:今シーズンの症状はいかがでしたか?

・2月~3月中頃まで(スギ花粉の時期)

例年と変わりなし:2名(7%)②少し良かった:4名(13%) ③かなり良かった:15名(48%) ④ほとんど出なかった:10名(32%)⑤むしろ悪化した:0名

・3月後半~4月(ヒノキ花粉の時期)

例年と変わりなし:3名(10%)②少し良かった:6名(19%) ③かなり良かった:11名(35%) ④ほとんど出なかった:4名(13%)⑤むしろ悪化した:7名(23%)

先入観が入らないように、アンケートには(スギ花粉の時期)(ヒノキ花粉の時期)の記載はせず、あくまでその時期にどうだったのかお聞きしました。するとスギ花粉の時期は、効果を実感した方が90%以上だったのに対し、ヒノキ花粉の時期には①例年と変わりなしと、⑤むしろ悪化したを合わせると、30%以上の方が症状を強く感じているのが分かります。当ブログでも紹介したように(クリックでリンク)スギ花粉症の方の60~70%にヒノキ花粉症もあり、今年はヒノキの花粉が例年よりかなり多く飛んでいて、図らずも「シダトレンはヒノキの花粉症には効かない」ことを証明する結果となりました。

問2:効果は期待通りでしたか?

期待外れ:1名(3%) ②期待ほどではないが効果あり:6名(19%) ③期待通り:19名(61%) ④期待以上:5名(17%)

2年前のアンケートに比べると(クリックでリンク)①と②の方の割合はかなり少なくなっていますので、治療を続けられて効果を実感されている方が増えている、ということでしょう。

問3:今後も続けたいですか?

①続けたい:28名(90%) ②続けたくない:3名

「続けたくない」の3名は、いずれも治療を開始して3年またはそれに近い期間治療を継続している方々で、実際に2名の方がこのアンケートの後、治療を終了されました。

問4:問3で①の方は、今後どのくらい継続できそうですか?

①6か月:0名 ②1年:12名(43%) ③1年半:2名(7%) ④2年:5名(18%) ⑤2年またはそれ以上:7名(25%) 2名未回答

これまで3年続けてこられて、さらに治療を継続される方は、スギ花粉症の来シーズン終了まで続ける、という方が多いようです。また、まだ3年に満たない方は、今までの努力を無にしないように、最低3年間は続けるという意思が強いようです。

問5:今まで飲み忘れはどの程度ありましたか?

①全くなし:4名(13%) ②今までで数回だけ:14名(45%) ③月に1回程度:4名(13%) ④月に数回:6名(19%) ⑤週に1回:2名(7%) ⑥週に2回またはそれ以上:1名(3%)

前回実に38%の方が①「飲み忘れなし」でしたが、今回はさすがに割合が減っていました、それでも①と②を合わせると60%近くに達します。私は相変わらず⑤ですので、最も成績の悪い部類に入りますが、それでも3年間継続することで治療の効果は実感しています。

問6:いつ服用していますか?

①起床時:11名(35%) ②朝食前:3名(10%) ③朝食後:8名(26%) ④日中2名(7%) ⑤就寝時:6名(19%) ⑥不規則:1名(3%)

前回は起床時が多かったのですが、今回は少しバラけていました。それでもシダトレンの「服用後5分は飲食禁止」「服用の前後2時間は、飲酒、入浴、激しい運動は禁止」という条件を考えると、夜よりも朝の方が適しているのでしょう。因みに私はここでも少数派の⑤就寝前、です。

前回同様、飲み忘れのない方たちがいつ服用されているのかも分析してみました。

問5で①飲み忘れ全くなしの方4名の内訳は
起床時:1名、朝食後:2名、就寝前:1名、
②飲み忘れ今まで数回だけの方12名の内訳は
起床時:4名、朝食前3名、朝食後3名、就寝時2名、でした。

昨年同様、「朝が良い」「夜の方が飲み忘れにくい」などの特徴的な傾向は特にみられませんでした。就寝時に服用されている方は、「寝る前に飲んで歯磨きをして寝る」というパターンを確立して飲み忘れを防いでいるようです。このように、強い意志のもと、生活のリズムに上手に組み込んでいる人ほど忘れずに服用しておられるようです。

<まとめ>
今回のアンケートで分かったことは
①スギ花粉の飛散量が多かった今年も、多くの方が期待通りの効果を実感できていたこと
②シダトレンはヒノキの花粉症には効果がなかったこと
と言えると思います。

任意記載のご意見、ご感想の欄でも、「ヒノキには効かなかった」「ヒノキやブタクサにも効くものが欲しい」という記載がありました。

それ以外にも「冷所保存の手間を軽減してほしい」「錠剤はどうですか?」というご意見もあり、今回発売された錠剤タイプの舌下免疫療法薬「シダキュア」に対する期待も感じられます。その使用感などは、近いうちに当ブログでレポートしようと思います。

また、「どのくらい続けたらよいのか明確な基準が欲しい」というご要望もありましたので、明確にはできないまでもおおよその傾向を把握するために、今回治療を終了された方の症状がその後どうなっているかの追跡調査も必要と考えています。それらはまたこのブログで追ってご報告していきたいと思います。

前回同様、科学的な分析には程遠いですが、現在治療中の方、今後治療を開始しようとお考えの方などの一助になれば幸いです。ご協力いただいた皆様、本当にありがとうございました。

なお、この私のブログでの舌下免疫療法の体験記は、あくまで私個人の感想で、すべての方に同様に効果があるものではないことをお断りしておきます。