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院長ブログ

まぶしすぎるっ!

♪まぶしすぎる~ぅ お前との出会い~♪ by世良公則

昭和ポップスの名曲、ツイストの「燃えろいい女」の一節で始まりました今回のブログですが、何が“まぶしすぎる”って最近の車のヘッドライトとテールランプ(ブレーキランプ)です。

私は車通勤をしていますが、ここ数年顕著に感じます。夜、普通の街中を走っている対向車のヘッドライトがまぶしくて、思わず手で遮るのですが、予期せぬ動作なので車がフラフラっと不穏な動きをすることがあり、危険を感じます。

また、光がまともに目に入ってしまったときには、しばらく残像が残り、視界の一部がボーっとしていてとても不快です。

最近、事故防止の観点からヘッドライトのハイビームが推奨されているようですが、不適切な場所でのハイビームはむしろ危険です。対向車がいないと勝手にハイビームに切り替わる高級車もあるようですし、大衆車でもハイビームにしていないのに最初から光軸が上に向き気味なのか、やけにまぶしい車が多いように感じます。

ヘッドライトの光源自体も変わってきていて、以前のオレンジ色に近いハロゲンから白色で明るいキセノンになり、今は寿命の長いLEDになっているようです。確かに明るい方がドライバーは歩行者や自転車の視認性もよく、事故防止には一役買っているのでしょうが、逆に照らされる側は、光が目に入って立ちすくむことで事故が起きないか心配になります。

以前は時々ハイビームにしたまま忘れて走っている車がいて、その時は対向車がパッシングすると相手も気づいて元に戻す、という微笑ましい光景も、今ではほとんど見られなくなりました。ハイビームなのかロービームなのか区別がつかないので、パッシングして余計なトラブルに巻き込まれないように、という意識が働くのでしょう。

そしてさらにたちの悪いのがテールランプ(ブレーキランプ)です。

夜だけでなく、日中でも常に光りますし、停まるときは前の車に近づきますので、必ずと言っていいほど後続のドライバーや助手席の人は光を受けてしまいます。渋滞などでは、常時目の前から明るい赤い光を浴び続けることになります。まともに目に入ると、ヘッドライトと同じように残像が残り、嫌な思いをします。

もうかなり前から、視認性が良いハイマウント(後ろの窓の上にある高い位置のランプ)が一般化した上に、テールランプもLED化している弊害なのでしょう。

そこで思い起こすのが、レーザーポインターです。ミーティングなどで、スライドを指し示すために使う道具ですが、目に向けて照射するのは危険なことが知られています。レーザー光のエネルギーで、目の奥の網膜がダメージを受けて、ひどい場合は視力が低下してしまう可能性があるからです。かつては野球やアメフトの観客が、相手選手に照射し、いわゆる「目つぶし」として問題になったこともあります。

レーザーほどのエネルギーはないでしょうが、一般の方はともかく、常にヘッドライトやテールランプの明かりを浴びるタクシーやトラックなどの職業ドライバーの方の目に影響がないのか、心配になります。

私はその対策として、昼でも夜でも常に、ごく薄い色のサングラスをして運転しています。紫外線カットのレンズに薄い色がつくだけでも、まぶしさはかなり軽減されます。濃い色にしないのは、夜間やトンネルに入ったときに見えづらいためです。私と同じように、ライトのまぶしさに悩まされている方には、同様のサングラスをお勧めします。

昨今はどこの照明もLEDに切り替わり、明るい、消費電力も少ない、寿命も長いと良いことばかりのようですが、眼科医の立場からはちょっと懸念すべきこともあるのではないか、という今回の提言でした。