私たち医師の、診察以外の大切な役割として、新しい治療方法の研究や、最新の治療について常に学び続ける、ということがあります。その大事な役割を担っているのが「学会」です。
学会は、日本、あるいは世界中からその分野の医師が集まって、研究の成果を発表したり、それを聞いて学んだりする場です。眼科の場合、「日本眼科学会」「日本臨床眼科学会」と大きな2つの学会があり、その他に「角膜」や「網膜」などの専門分野に分かれた「学会」がいくつもあり、多くの先生方が参加し、それぞれで活発な議論が交わされます。
これまでは学会は大きなホール、例えば大規模な学会であれば東京フォーラムやパシフィコ横浜など、小規模な学会でもホテルのバンケットルームなどを借りて、その場所に先生方が集まって行われていました。
ところがこのご時世で、多くの人が集まることができなくなりましたので、ほとんどの学会はオンラインで行われるようになりました。つまり、お勤めの方がご自宅でテレワークをするように、学会も自宅に居ながらにして参加できるようになったわけです。
先日行われた「日本眼科学会」は、実際に大阪の学会場で研究を発表される先生と、ご自宅や病院に居ながらにして発表される先生の発表する側も「ハイブリット形式」で、傍聴する側も学会場でリアルタイムで聞かれる方と、後から配信される動画を視聴する方という、こちらも「ハイブリット形式」でした。
今回のように「動画配信」されるメリットは、これまで私たち開業医は、学会出席のために休診にするか代診を頼む、あるいは参加をあきらめざるを得なかったところを、期間中であればどこにいても参加できることと、何度も見直すことで知識の定着ができることです。つまり開業医にとって大変ありがたい「変化」なのです。
コロナウイルスで大きく変わった世の中ですが、悪いことばかりではなく、むしろ進歩を加速させた良い事例でもあるように思います。このようにして得られた貴重な最新の知識を、今後も日々の診療に大いに生かしていきたいと思います。