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院長ブログ

地球温暖化

このところ、国内でも世界各地でも、異常気象による被害が多数報告されています。

熱海の土石流や九州の水害などの映像は衝撃的でしたし、ヨーロッパ各地でも水害や熱波による山火事などの被害が頻発しています。これらの自然災害は、地球温暖化が原因と言われています。

この夏、わたしも2度、被害に遭いました。

1度目は、土砂崩れです。

私が通勤に使っているルートの高速道路のインター付近で、大雨による土砂崩れがあり、そのインターは発生から2か月近く経った今も通行止めのままで、朝も夜も遠回りを余儀なくされています。

その土砂崩れが起きたのは、その場所を私が通った後、ほんの10分ほどのことでした。

その日は朝から土砂降りで、普段よりも時間がかかることを見越していつもより早く出勤したため難を逃れましたが、いつもなら土砂崩れが起きた時間にその場所を通っていましたので、まさに間一髪、もし巻き込まれていたらと思うと、今でもぞっとします。

そして2度目は、クリニックのエアコンの故障です。

朝、診療を始めたときには問題なかったのですが、10時頃になって「なんだか暑いな」と思い、エアコンの端末を見てみたら何やらランプが点滅しています。そして「異常コード○○○○」の表示。早速メーカーのサポートに問い合わせたところ、室外機の故障らしく、院内に5台あるエアコンがすべて作動していませんでした。非常時のマニュアルに沿ってエアコンのブレーカーを落とし、再度立ち上げましたが、直りません。

冷たくはないですが、風だけは出てきますので風量を「最強」にして午前中は何とかしのぎましたが、午後の始まるころにはさらに気温は上昇。ユニフォームの下のシャツが汗びっしょりです。

たまらず近くの電気屋さんで扇風機を2台購入し、暑い空気を何とかかき回しましたが、途中少し降った雨の雲もすぐに過ぎ去って、夕方まで気温上昇は止まりませんでした。

奇跡的にその日に来てくれたサービスの方によると、室外機の基盤が壊れていて交換が必要、部品の取り寄せに2日かかるため、修理ができるのは最短でも翌々日の朝とのこと。ということは、今日と明日はエアコンなしで診療を続けなければいけません。

幸い、クリニックの入り口につながる商業施設の廊下はエアコンが効いていましたので、入り口を開放し中で扇風機を回すと待合室だけはやや涼しく、それでも暑く感じる方は廊下に並べた椅子でお待ちいただくことにいたしました。入り口や待合には「空調機故障」と掲げ、院内滞在時間を極力短くするように検査を最小限にしたりしましたが、私たちとしては本当に申し訳なく、お詫びを申し上げると患者様からはむしろ「暑い中大変ですね、頑張ってください」と励ましのお言葉をいただき、本当に有難かったです。

さて、翌日も晴天で気温上昇が予想される中、1日中エアコンなしで過ごさなければなりません。私は自宅から扇風機を2台持参、スタッフもサーキュレーターやうちわを持参してくれ、同じフロアの薬局さんは当院の窮状を知るとサーキュレーターを3台も貸してくださいました。汗をかいてもいいように着替えを用意したり、保冷剤をポケットに忍ばせたり…。考えうるありとあらゆる対策を立てて臨みましたが、もう10時を過ぎるとぐんぐん気温は上がっていきます。

昼休みには暑い中では食欲もわかず、私は冷蔵庫にいれてあったお弁当を電子レンジで温めずに冷たいまま食べました(冷やし天丼、意外とおいしかったです)。

そんな中でも、午後も患者様はいつもと同じようにご来院され、暑い中受診をされてから私たちにねぎらいや励ましの言葉をかけてくださるので、私たちも「今日をなんとか乗り切ろう!」と気持ちを奮い立たせたのでした。

午後の診療も2時間ほど経過した頃でしょうか、何と、翌日の朝になるはずだった修理でしたが、部品が用意できたとのことで、前倒しでサービスの方が来てくださったのでした!そのお姿は(作業着のおじさんでしたが)仏様か観音様のように私たちには見えました。

室外機のブレーカーがなかなか見つからないなど手間取りましたが、修理は無事に終了。エアコンの電源を再びオンにして、待つことしばし…。涼しい風が出てきた時の喜び、幸せと言ったら…もう言葉に言い表せないくらいでした。ダイキ〇さん、ありがとう!

今回の経験で「室内でも熱中症になる」というのが、身をもってよく分かりました。エアコンがなければ過ごせない夏、いつから日本はそんな風になってしまったのでしょうか…。

私が小学生の時の夏休み、毎日お決まりの「お昼寝タイム」がありました。眠くもないのに寝かせられて好きではなかったのですが、入道雲を眺めているときに開け放しの窓から入ってくる風は、今ほど暑くはありませんでした。

今回の東京オリンピックでは、テニスや陸上などの屋外競技では暑さが相当影響したようでしたし、札幌で行われたにもかかわらず、マラソンでは多くの棄権者が出ました。

「地球温暖化」とは言いますが、正確には「地球の最表面がちょっとだけ温暖化」。それが何に影響を与えているかというと、「人類が生活しづらくなる」だけのことで、これまでの何十億年の地球の歴史からしたら、その変化はほんの微々たるものでしょう。

ですが、逆に言えば、そんな繊細な環境で私たちは生かされているのだということを改めて再認識させられた、貴重な経験でした。

数多く発生している自然災害は、地球の表面で好き放題やってきた人類に対する「しっぺ返し」のような気がしてなりません。災害でお亡くなりになられました方のご冥福をお祈りいたしますとともに、すっかり消費社会に毒されて生きている自分への戒めとしたいと思います。