以前のブログ「学会もオンライン」(クリックでリンク)では、コロナ禍で密を避けるために、人が多く集まる学会がオンライン形式で開催されていることを報告しました。
ここにきて感染者の数も落ち着いており、世の中がコロナ以前に戻りつつある今日この頃、しばらく行われていなかった学会の現地開催が行われるようになりました。私も有楽町の東京フォーラムで先日行われた「日本臨床眼科学会」に参加して参りました。
形式は①現地会場での講演聴講②当日の講演のライブ配信をパソコンなどでリアルタイムで聴く③後日配信される講演を聴くオンデマンド、の3種類です。
前回のブログでも書いたように、オンデマンドは聴きたい時間に、聴きたいだけ聴けるという大きなメリットがあります。
一方現地聴講では、発表者に直接挙手して、または講演後に質問したり議論したりすることもできます。また現地には、広いホールに展示された多くの検査機器、手術機器のデモのコーナーもあり、最新の機材を試す良い機会でもあります。
また現地開催では、地方で勤務されている先生が都会に出てきたり、地方の学会では我々が彼の地に出かけていく良い口実になって、講演や討論が終わった後は、久しぶりにお会いする先生方と親睦を深めるために食事に行ったりするのも楽しみの一つです。
今回の学会の開催は木曜日から日曜日。私は土曜午前の診療終了後、午後の部から参加しました。それ以外の曜日、時間はお昼休みなど診療の合間にオンラインで聴講し、もっとしっかり聴きたいものは後日のオンデマンドの動画配信を楽しみにしています。
今回、数あるトピックの中で私が注目したのは「赤色光を目に当てると、近視の進行が抑制される」という、日本の近視治療の第一人者、東京医科歯科大眼科教授、大野京子先生のご講演でした。
これまで、遠近両用レンズのメガネやコンタクト、オルソケラトロジーや調節麻痺薬、あるいはバイオレットライトやサプリメントなど、様々な「近視の進行予防」方法が試されていますが、どれも決め手に欠けるものでした。ところが中国で行われた「赤色光」の比較的大規模な調査では、これまでのどの方法よりも近視の進行を抑制することがわかったのだそうです。
これが本当であれば、比較的簡便な機械でもできるこの方法。もう少し情報を集めて、当院での導入をするか、検討をしていきたいと思います。