電話をかける

045-392-5263

東戸塚 眼科 片桐眼科クリニック|東戸塚駅 西口より徒歩1分 モレラ東戸塚3階

TEL.045-392-5263

院長ブログ

風邪

最近、やけに風邪が流行っています。

え、なんで眼科なのに、風邪が流行っているなんてわかるの?…実は、風邪をひいたときの症状のひとつとして、充血、めやに、涙目などを症状とする結膜炎になることがあり、最近当院でもそんな患者様が増えているのです。特に小さなお子様の感染と、そのお子様からうつった親御さんの感染が大変多くなっています。

新型コロナウイルス感染が蔓延している頃には、当院に風邪→結膜炎の症状でかかる患者様がほとんどいませんでした。マスク、手洗い、シールドなどの感染対策は、普通の風邪の予防にも効果てきめんであることを実感していました。

ではそもそも「風邪」ってどんな病気なんでしょうか?実は正式には「風邪症候群」といい、くしゃみ、鼻水、のどの痛み、咳、痰、発熱などの症状の総称で、そのほとんどがウィルス感染です。そのウィルスの種類も200種類以上あるといわれていて(もともと新型でない「コロナウィルス」も風邪症状の原因ウィルスのひとつでした)どのウイルスが原因なのか特定するのは難しいと言われています。

つまり「風邪」という病名はなく、あえて専門用語でいうと「感冒」です。医師はカルテには「急性上気道炎」「鼻炎」「咽頭炎」などと記載します。

病院あるあるとして、クリニックを受診した際の問診で「どうしました?」と聞かれた患者様が「風邪をひきました」と答えると、相手が意地悪なドクターだと「風邪なんて病気はありませんよ。だいたいにおいて診断は私がつけます」なんて言われるらしい、という都市伝説?もあるくらいです。

風邪をひいている(あるいは最近ひいていた)お子さんが結膜炎になるのは、主に2つの経路があるのではないかと私は考えています。

①ウイルスの直接感染:のどが赤くはれて、鼻水が出るように、まぶたの裏~白目が充血して目やにが出るときは、結膜への直接感染が疑われます。その中で気をつけなければいけないのが、一般に「はやり目」と呼ばれるアデノウイルス感染で、感染力が強いことから、流行を予防するために幼稚園、保育園~小中高校では、回復するまでの間は登園登校停止になります。

②風邪の症状による2次的な感染:主に鼻水が多く出ているお子様に多いのですが、鼻と目は目がしらから鼻の奥に通じる「鼻涙管」という細い管でつながっていて、鼻から逆流する鼻水の流れに乗って目に間接的な感染をおこすケースです。

いずれも治療は風邪の治療+目薬です。②は比較的早く治りますが、①はウイルスに直接効果のある点眼薬はありませんので、長引く場合があります。

小さなお子様は嫌がったり暴れたりして、目薬はなかなかうまくつけられません。そのような患者様には、当院Youtube動画(→クリックでリンク)をご案内しています。私がわが子?と共演していますのでよろしければ参考にしていただけましたら幸いです。

今はおまけに季節外れのインフルエンザ感染が流行り始めていて、学級閉鎖を余儀なくされるところも出ているようです。その原因は、新型コロナ流行期間中にしっかりと感染対策をしていたため、冬場にインフルエンザウイルスに接する機会が激減し、その結果インフルエンザウイルスに対する免疫が低下したと考えられています。そのためこの冬は大流行するのでは、と予想している医療機関もあるようです。

まさにウイルスと人間のいたちごっこですね。私個人としては、2類から5類に変わっても、マスク、手洗いは今まで通り励行し、あえて人込みは避けた方が無難かな、と感じています。みなさんも引き続きどうぞお気を付けください。