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院長ブログ

Chat GPT

みなさん、今話題のChatGPT(チャットジーピーティー)って、もうお使いになりましたか?

ChatGPTとは、アメリカのOpen AI社が開発した、人工知能(AI)を使った無料のチャットサービスです。人間の質問に対して、Web上の大量のデータをもとに学習し、まるで人間のように自然でクオリティの高い回答をすることで驚きを持って世の中に受け入れられ、あっという間に様々な分野で応用されようとしています。

チャットGPTは自然な会話ができるだけではなく、メールを作成したり、詩や小説を書いたり、表計算ソフトの関数を作成したり、プログラミングもできます。料理の献立を考えたり作曲をしたりすることも可能です。そのため、人間の仕事が奪われてしまうのではないか、という懸念も上がっています。

そして何と先日発表されたのが、「日本の医師国家試験を解かせたところ、合格ラインを超えたと、日米の国際研究チームが明らかにした」という報道でした。ただこれは現在のChatGPTの上位版で、人間の受験者の平均点は下回り、患者を安楽死に誘導する選択肢を選ぶなど不適切な解答もみられたということでした。

ということで、私も早速使ってみました。

ChatGPTに「緑内障ってどんな病気?」と問いかけてみたところ、帰ってきた答が以下の通りでした。

「緑内障は、眼の中の液体(房水)の排出不良などが原因で、眼圧が上昇して視神経が損傷する病気です。視神経が損傷することで、視野が狭くなり、最悪の場合、失明することもあります。緑内障は、初期症状がほとんどなく、気づかない人も多いため、定期的な眼科検診が重要です。また、緑内障は年齢や遺伝などの要因によって発症しやすいことが知られています。治療法としては、眼圧を下げる目薬や手術がありますが、症状が進行してからの治療では完全に回復できない場合があります。早期発見、早期治療が大切です。」

なるほど…眼科専門医的にはもの足りない(例えば日本人は眼圧が上がらないタイプの緑内障が多い、遺伝するのは5%程度でさほど多くないなど)ですが、医学生レベルではまあ及第点といったところでしょうか。

そしてもう一つ、「目の充血、目ヤニ、痛みがあります。なんの病気ですか?」と問いかけてみました。すると…

「目の充血、目ヤニ、痛みといった症状は、いくつかの病気の兆候となり得ます。一般的に、これらの症状が持続的である場合は、目の炎症や感染症、アレルギー反応、ドライアイ、眼精疲労などが原因である可能性があります。

目の炎症や感染症による充血や痛みの原因としては、結膜炎、角膜炎、網膜炎などがあります。アレルギー反応による症状の場合、花粉症やアレルギー性結膜炎などが考えられます。ドライアイは、目の表面が適切に潤滑されていないために生じる症状で、長時間のパソコン作業や空気の乾燥が原因となることがあります。眼精疲労は、長時間の画面作業や視力異常によって引き起こされることがあります。

症状が重い場合や持続的に続く場合は、眼科医に相談することをお勧めします。適切な診断と治療を受けることが大切です。」

との回答でした。診断はついていませんが、かなり的を射た回答です。眼科医への受診を勧めているのも、うがった見方をすれば医学界に気を使ってなのか?と思わせるほど、スキのない文章に私はある意味空恐ろしさを覚えました。

「創造的な仕事以外は、やがてAIに取って代わられる」。数年前にAI脅威論が出たころ、よくそう言われました。2045年には、AIが人間より高い知能を生み出す「技術的特異点(シンギュラリティー)」が到来。計算や繰り返しが多い事務的な仕事は機械が代替し、人はより創造的な仕事に専念する…とも。それはあくまでも希望的観測に過ぎず、その未来はもっと早くやってくるかもしれません。

AIがさらに発展し、症状を聞いて診断をつけ、治療まで決定できるレベルになれば、単純な医療はスマホひとつで済んでしまうかもしれません。必要になるのは、超絶テクニックをお持ちのスーパードクターだけ?…いやいや、そんなはずはありません。

ではAIにはできないけれど我々ができる「創造的な医療」って、どんなものでしょう?それは「気持ちに寄り添うこと」だと思います。その方が感じている「不安」「辛さ」「痛み」の程度。それは、対面でお話しを伺い、動作、表情、顔色、声のトーンなどを目の当たりにしている私たち「心」をもった医師やスタッフのみが得られる貴重な情報です。それをふまえて行う「心のこもった」診断、治療が「創造的な医療」だと考えています。

当院のミッションは「愛をこめて、あなたのeyeを守ります」です。AIの発展と張り合うのではなく、今までも、そして今からも常に「創造的な医療」を目指していく、そんなクリニックでありたいと強く思う今日この頃です。