電話をかける

045-392-5263

東戸塚 眼科 片桐眼科クリニック|東戸塚駅 西口より徒歩1分 モレラ東戸塚3階

TEL.045-392-5263

院長ブログ

心温まる助け合いのリレー

今回は、先月報道された、心温まる助け合いのエピソードをご紹介します。

===================

目の難病を患った58歳の男性。病気の進行とともに視力を失い、バイク通勤ができなくなり、白杖を使い路線バスで通勤し始めました。

ある日、1人でバス停で待っていると、同じバス停にいた通学途中の小学生の女の子が「バスがきましたよ」と声をかけ、男性がバスに乗りやすいようにサポートをしてくれました。

その日から、女の子の男性へのサポートが続き、その子が卒業した後は、同じ時間にバスに乗る別の児童が、同じように男性のサポートをし、それが何代にもわたって続いています。

男性はこのいきさつを作文にまとめ、全国信用組合中央協会主催の「小さな助け合いの物語賞」に応募。大賞を受賞し、その賞金で、児童たちが通う小学校に、目の動きをトレーニングする教材を寄贈しました。

その際に、これまでサポートしてくれた、中学に進学した姉妹と、小学4年生、そしてコロナで時差通勤を始める直前までサポートしてくれていた小学2年生にも対面しました。

このサポートを始めた現在中学2年の生徒は、始めたころはまだ小学1年生で、母親がサポートをするのを見て、見よう見まねでやっていたとのこと。そして姉のことをまねた妹が引継ぎ、妹は卒業するときに同じバス停を使っていた下の学年の児童に後を託し、それがこれまで続いてきたのでした。

児童の1人はこの男性をサポートすることによって、目の不自由な人が暮らしていくためには、もっと社会の工夫が必要と感じたと話しています。

====================

昨今、やれコロナだ、ワクチンだ、オリンピックはできるのかなど、殺伐とした話題がほとんどで気が滅入る中、久々にすがすがしさを覚えるエピソードでした。

この男性の病気は「網膜色素変性症」。光を感じる組織である網膜の細胞が外側から徐々に減っていき、最終的には見えなくなることもある、現在は治療方法のない進行性の難病です。

病気の進行に伴って視界が狭くなっていくため、割と早い段階でバイクや車の運転は危険になり、あきらめざるを得ない場合が多いです。

それにしても、私たち大人でも白杖の方に声をかけるのには一瞬躊躇するのに、小学1年生の時から自主的に声をかけ、サポートを始めた児童さんの勇気と、それを大人に指示されることなく、連綿と受け継いでいったその小学校の児童さんたちの心意気に、まさしく「あっぱれ!」をあげたいです。

そして、そのきっかけを作ったお母さんの行動。子供は親の背中を見て育つのですね。わが子もぜひ、そうであってほしいものです(笑)。

(この記事は、wbs和歌山放送ニュースと読売新聞の記事を参考にいたしました)