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院長ブログ

サッカーW杯に思うこと

ワールドカップサッカー、日本チームは躍動しましたね。私はサッカーファンではありませんでしたが、今回の日本の試合はとてもワクワクしながら観ました。

特に強豪ドイツとスペインに逆転勝ち、決勝トーナメントでもクロアチアとほぼ互角だったのには、本当に驚きました。私は世代的に1993年の「ドーハの悲劇」をリアルタイムでテレビで観ていますので、今回の「ドーハの歓喜」には隔世の感があります。

チームもそうですが、大きな大会ごとに毎回日本のサポーターは世界中から称賛されますね。ご存知、試合終了後のスタジアムのゴミ拾いです。

それに関することで、私がとても感動した記事があります。

日本がスペインを破って決勝トーナメント進出を決めた後です。

”この勝利を受け、パレスチナ自治区のファンは「自己中心的でない良いことをすれば、世界はあなたに“ご褒美”を与えてくれる。日本のファンは、いつも試合後にスタジアムをきれいにする。そしてほら、見てごらん。日本はザ・ボクス(ラグビー南アフリカ代表の愛称)を破り、そして今度はドイツとスペインを破る」とツイートした。 ラグビー男子日本代表は、2015年のW杯で優勝3度を誇る南アフリカに34―32で逆転勝ちし、“ブライトンの奇跡”と称えられている。”(2022.12.2 中日スポーツの記事より抜粋)

私が感動したのは、このツイートを書いたのが「パレスチナ自治区のファン」だったことです。住む土地を奪われ、いつ襲われるともしれない攻撃におびえながら、不自由な生活を強いられているであろうこのスポーツファンの方が、W杯を観て日本サポーターに思いを馳せる…これぞ世界的なスポーツイベントの意義だと思うのです。そしてきっとこの日本のファンの姿をみて、ご自分にも言い聞かせているのではないかな、とも私は勝手ながら想像しました。どんなにつらい日々でも、「自己中心的でない良いことをすれば、世界は自分にもご褒美を与えてくれる」と…。

ある小説に「善行陰徳」という言葉が出てきます。幼少期の主人公に母親が諭す際に使った言葉です。なにも言われずとも徳をする(良いことをする)こと、人の見ていないところで徳をすること。「良いことをするときは、人知れずするもので、それを誇らしくするのは人としていやしいことですよ」というような場面だったように思います。

まさに日本サポーターの姿ではないでしょうか?たまたま報道陣の多いイベント会場ですので世界中にその姿は見られてはいますが、それを見せつけるためにやっているわけではないことは、見ている人たちも分かっていると思います。

そして今回はとうとう、他の国にもゴミ拾いをするサポーターが現れた、とのこと。日本のサポーターの姿を見てそれを称賛しても、なかなか自分も、と始めるには勇気が必要だったんでしょうね。

かつて日韓共同開催W杯の頃問題になったフーリガンをはじめとする過激なサッカーファンは時に「柄が悪い」「マナーが悪い」と大変不評で、今回も各国で暴徒化するファンの映像が流れていました。一方でこのスタジアムでのゴミ拾い、「思いやり」「気配り」「優しさ」に満ち溢れた行為が、これから少しずつでも広がってくれると、そこから世界が平和になるきっかけにもなるのに、と大げさではなく思います。

そして自分自身も、日常生活で「陰徳」を積んでいきたいと思います。道端に落ちているゴミを拾う、ご高齢者やベビーカーの親子が出入りするときに扉をおさえておく、白杖の方や困っていそうな方に声をかける…ちょっと勇気がいることが、これからさりげなく、当たり前にできるように、そしてそれがこの世の中に広がっていきますように…。