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院長ブログ

雑草と目の外傷

9月に入り、ようやく朝夕は秋の気配を感じるようになりましたが、暑い季節の間、悩ましいのは、庭や家の周りの雑草の草むしり、草刈りです。

暑い、汗をかく、日に焼ける、虫に刺される…嫌なことばかりですが、ちょっとさぼると草ボウボウで、我が家の小さな庭も見られたものではありません。

来院される患者様で意外に多いのは、庭で草むしり中に、葉や枝で目を突いてしまったという外傷です。特に多いのは、振り向いたりしゃがんだりしたはずみに、そこにあった葉や枝に自ら突っ込む「自爆型」の外傷です。

「あるはずがない」と思いこんでいて、かなりの勢いで突っ込みます。黒目の「角膜」が大きくむけて、目が開かないくらい痛い思いをすることが多く、傷の表面がデコボコで治りも悪いです。また、植物に付着している菌やカビが感染することもあり、経過は注意して診ていく必要があります。

私がこれまで診た最もひどいケースでは、眼球を小枝が貫いていて、この時は救急車で即搬送され、手術で失明は免れました。

ちょっと広いお庭の持ち主や業者の方などは、電動や小型エンジンの草刈り機を使いますが、その回転刃にも実は目の外傷のリスクがあります。

高速回転している刃に跳ね飛ばされた土や小石がまともに目に向かって飛んでくることがあります。もっと危ないのは、石などに当たって欠けてしまった刃の先自体が目に飛んでくることです。そうなると「ふすまに手裏剣が刺さった」ような状態です。貫通していれば手術ですし、そこまで深手でなく無事に摘出できても、涙の塩分で刃が錆びているとその錆が残るので、「角膜ドリル」という特殊で小型のドリルを使って錆を削り取る処置も必要になります。

いずれの場合も予防するには「ゴーグル」が最も有用です。夏の暑い間の作業中は、汗がついたり曇ったりとなかなか厄介ですが、大切な目を守るためです。また、日焼けや熱中症予防もかねて、つばの広い帽子も使うとよいでしょう。

刈っても刈っても生えてくる雑草の生命力には驚きます。雑草と言えども植物。日々光合成をして、私たちのために酸素を作ってくれています。ただ目の敵にするのではなく、うまく共存していけるといいですね。