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院長ブログ

ユニバーサル・クリニックシアター開催しました!

以前何度かお伝えするも(「見えなくても、映画を楽しむ方法」「続・見えなくても、映画を楽しむ方法」「ついに来た!(クリニックシアターの実現を目指して)」「ユニバーサル・シアターに行ってきました」→それぞれクリックでリンク)コロナ禍で見合わせておりましたが、当院の検査室を一時的に模様替えして、目のご不自由な方にも楽しんでもらえる映画の上映会、名付けて「ユニバーサル・クリニックシアター」ついに開催いたしました!

土曜日の午前の診療終了後、検査機器を移動したり目隠しをしたりして、検査室の奥の白い壁をスクリーンに見立て、そこにスピーカーとプロジェクターを設置し、推定150インチサイズの画面で映画を上映いたしました。

<before>

<after>

上映するにあたり、目のご不自由な方のための音声解説が必要になります。本来ユニバーサルシアターでは、通常のスピーカーから流れる映画の音声と合わせ、目のご不自由な方にはイヤホンで音声解説を聞いていただくスタイルなのですが、今回は設備の関係で、スピーカーから通常の音声と、音声解説も同時に流して、お付き添いやご家族の方も一緒に体験していただくことにいたしました。

上映したのは「ローマの休日」。ご存知オードリー・ヘップバーン主演、この映画が実質デビュー作で、いきなりアカデミー主演女優賞を受賞した作品です。これだけ有名な映画で、色々な場面が引用されていますので知らない方はいないものの、全編通してみている人が意外と少ないので、今回お招きした患者様のご年齢層も考慮し、この映画の素晴らしさをお伝えしたくて選んでみました。

ユニバーサル・シアターの元祖、シネマ・チュプキ・タバタの支配人、平塚千穂子さんにご相談したところ、快く引き受けて下さり、上映用のDVDの作成までお手伝いいただきました。何度かリハーサルを行い、本来の音声と解説音声のボリューム・バランスなど私の細かい注文まで聞き入れてくださったり、焼いてくださったディスクが当院のプレーヤーで再生できなかったりで、何枚も焼き直したディスクを送って下さいました。今回のご助力には、本当に心から感謝しています。

私も20年ぶりくらいに見直してみましたが、安心して観ていられるロマンチック・コメディの王道。しかも全編ローマでのロケで観光名所目白押し。古き良き時代のロマンスに酔いしれると同時に、王女様が乗ったバイク、王女様が行った広場、王女様が食べたジェラートと、この映画1本で、どれだけの経済効果があったんだろうと、変なところにまで感心してしまいました。時々みんなから笑い声が上がるなど、映画館のような一体感のある雰囲気で、楽しんでいただけているご様子でした。

ちなみに、この「ローマの休日」の音声ガイドがどのように作られているかは、平塚さんのご著書「夢のユニバーサルシアター」(→購入はこちら)に、場面ごとに大変詳しく書かれていますので、ご興味がおありの方は是非お読みください。

スタッフたちも、私の夢の実現に全面的に協力してくれました。まず患者様へのお誘いのお声がけから招待状の送付。機器の片付け方やソファの配置などのリハーサル。そして当日予想以上に来院された方が多かった午前中の診療終了次第、急いで機材をどかしたり目隠しの布をかけたりの検査室の模様替え。入り口にウェルカムボードの設置や当日上映作品のチラシの作成と配布。そして今回来てくださった患者様には、必ずサポート役として誰かが付き添い、映画といえばポップコーン!をお渡しし、上映中も隣や後ろで待機、上映後は感想などのアンケートを取ってくれた上に、最後には週明けの診療に滞りがないように原状復帰まで終わらせて帰っていきました。

患者様へのアンケートでは「誘っていただき嬉しかった」「見たかった映画だった」「テレビよりも音声解説の描写が細かくわかりやすかった」「洋画を音声解説付きで見る機会が少ないので良かった」というお声の一方で「音声がやや小さく、解説はイヤホンの方が聴きやすいかもしれない」というお声もいただいていており、次回の課題として、イヤホンでの音声解説の実現を目指したいと感じました。

また、アンケートを取ったスタッフからも「皆さん笑顔で喜んで下さり、とても良かったです」との声が上がりました。勤務時間外にもかかわらず私の一存で始めたこのプロジェクトに参加してくれて、さらに患者様からも素敵な笑顔をいただくことができ、私も嬉しかったと同時にスタッフたちにも心から感謝した1日でした。

今回の経験も踏まえ、少しずつ改良を重ねながらこれからも定期的に開催していきたいと思っています。部屋の広さの関係でお呼びできる人数には限りがありますが、ご興味がおありの方は、どうぞ遠慮なくスタッフや私にお声がけください。

<追伸>今回参加された患者様から、こんな素敵なお礼のお手紙もいただきました。