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院長ブログ

戦争と平和(ユニバーサル・クリニックシアター第5弾)

当院独自の取り組みで、音声ガイドつきで目のご不自由な方も楽しめる院内映画鑑賞会「ユニバーサル・クリニックシアター」が、10月4日(土)の午前診療終了後の午後3時から開催されました。

これまで4回開催していますので今回は第5弾ということになります。

第1回⇒「ローマの休日」、第2回⇒「三十四丁目の奇蹟」

第3回⇒「雨に唄えば」、第4回⇒「私は憎まない」

(それぞれクリックでその時の様子のブログが読めます)

そして今回取り上げた作品が「カサブランカ」。言わずと知れた名作で、主演のハンフリー・ボガートとイングリッド・バーグマンも有名ですね。名ぜりふも散りばめられています。

これまで同様今回も、作品の選定と上映時の音声ガイド設定にあたって、実際に営業している映画館としては日本で唯一のユニバーサルシアター、「シネマ・チュプキタバタ」の支配人である平塚千穂子さんにご助力いただきました。

当院の患者様やお付き添いの方、また視覚障害のある方が主に利用する音声朗読に携わっておられる方など、今回も10名の方にご参加いただき、上映後のアンケートでも皆様にお楽しみいただけたようでした。

この映画の舞台はモロッコの都市、カサブランカですが、時代背景としてはドイツに占領されたパリを脱出し、新天地アメリカに渡る手はずを画策する人々と、それを良しとしないドイツやその傀儡政権の対立に翻弄される男女が描かれています。

世界史をまともに勉強していなかったので改めて調べてみますと、フランスにドイツが侵攻し、パリに無血入城、占領して、それが4年以上も続いたとのことで、その期間は日本がアメリカと戦争をしていた期間よりも長かったそうです。

ところで名作映画には「戦争」がつきものです。「ローマの休日」も第2次世界大戦後の不穏なヨーロッパ(ただしアン王女は架空の国の王女)が舞台ですし、「風と共に去りぬ」はアメリカ南北戦争が背景にあります。それだけドラマチックな状況が生まれやすいのが「戦争」とも言えますが、残念ながらほとんどが「悲劇」「悲哀」「悲愴」なドラマです。映画ならそれは作りものですが、実際には女性や子供まで巻き込まれ多くの罪のない人たちが辛い、悲しい思いをするのが現実です。

私がこの映画を初めて観た頃は、素敵な俳優さんたちに胸をときめかせ、ラブストーリーの切なさに思いをはせていましたが、それから40年経って改めて観てみますと、その背景にある「戦争」の悲劇から、目をそらせてはいけないと実感しました。

実は今の世の中の情勢を鑑み、当初はチャップリンの「独裁者」を上映しようと思ったのですが、配給会社が決める上映料が当院の予算に見合わず、断念したのでした。

平和の使者のふりをしている「独裁者」に肩を抱かれて、他国の軍人たちを前にしてガッツポーズを繰り返して大はしゃぎの日本初の女性首相…その映像を見るにつけ、日本の将来が心から心配になる今日この頃です。