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院長ブログ

緊急事態宣言再発令(目のコロナウイルス対策再確認)

この度、1都3県からさらに拡大して、緊急事態宣言が再発令されました。

思えば、しばらくお休みしていたこのブログを再開したのも昨年の緊急事態宣言が発令されたのがきっかけで、未知のウイルスに対する正確な情報をお届けするのが目的でした。

その後、世界中で広まった新型コロナウイルス感染症は、その特徴や症状について多くの報告がされています。昨年アップしたブログ(以下、青字)の内容も振り返りながら、新しい知見など情報を更新してお知らせしておきたいと思います。

因みに、新型コロナウイルスの正式名称はサーズコロナウイルス2(SARS-CoV-2:Severe Acute Respiratory Syndrome Coronavirus 2)といい、「COVID-19」はこのウイルスに感染したときの病名で、症状が出たときに「COVID-19を発症した」というのが正しい用語の使い方です。

1、どのようにして目から感染するのか?

目の白目やまぶたの裏には「結膜」という粘膜があります。新型コロナウィルスに感染している人の咳やくしゃみ、しゃべっているときの唾液に含まれるウィルスが顔にかかったり目に入った場合、結膜から感染する可能性があります。ウィルスがついている場所をさわった手で目をこすったりしても、同様です。結膜炎を起こす頻度は1~3%と言われていますが、まだ十分なデータではありません。

→感染経路はやはり飛沫感染が主だということが分かっています。結膜や角膜(黒目)の表面にはコロナウイルスが付着しやすい構造上の特徴が存在し、感染を起こしやすいため、目の表面は気道以外で感染リスクのある場所であることは変わりありません。そのため、飛沫を飛ばさないためのマスク着用は必須で、目からの感染を防ぐためにゴーグルやメガネは有効ということになります。当院では引き続きスタッフ全員着用しております。

一方、涙や結膜(まぶたの裏)をぬぐった液から新型コロナウイルスが検出されたとの報告はその後も出てはいますが、発現頻度は低く、涙が飛び散る(普段はあまりそのようなシチュエーションはないかもしれませんが)ことによる飛沫感染のリスクは一般的に低いと考えられています。当院では念のため、患者様と私の顔がface to faceで最も近づく診察台には遮蔽板を設置しております。

結膜炎の発症頻度は1.1%で、重症者ほど多く見られるとのことですが、報告される場所や国によってバラつきがあり、目から感染した人に結膜炎が起こるのかは分かっていません。そして通常は未治療で自然に治り、視力低下などの後遺症も起こしません。

2、予防方法は?

予防方法の基本は「目への飛び込みや接触の防止」と「手洗い」です。

目への飛び込みは、皆さんがマスクをすることでお互いに防ぐことができます。メガネやゴーグルをすることで、飛び込むのを防ぐと同時に、不用意に目を触ることも防げます。

手洗いは石鹸を使うのがベストですが、充分な流水だけでも効果はあります。手を洗えない場所ではアルコール消毒をしましょう。

3、目薬を使うときの注意点は?

目薬をさす前に必ず手を洗いましょう。ご家族同士や他の方と目薬を使いまわすことは止めましょう。

4、コンタクトレンズを使うときの注意点は?

目につける前と、はずす前には、必ず手を洗いましょう。コンタクトレンズの消毒やこすり洗いも念入りに行ってください。心配な方は、コンタクトレンズの使用を控え、メガネにするとよいでしょう。

→残念ながらワクチン接種開始までまだ少し時間がかかりそうですので、各自が心して予防をしていくしかなさそうです。

「目への飛び込みや接触の防止」の基本はやはり「3密を避ける」ことと、「マスクの着用」であることに変わりありません。飛沫感染と比較し、接触感染を起こす確率はかなり低いようで、万が一ウイルスが付着したものを触ったとしても手洗いで十分防げると考えられており、過剰に消毒をする必要はなさそうです。日ごろから積極的に手洗いすることを心掛けましょう。

<ワクチン接種と治療薬について>

今回の新型コロナウイルスに対応したワクチンは、これまでに例を見ないスピード開発だったため、「効果が不十分なのではないか」「安全性に不安があるのではないか」と感じる方も多いようですが、これまでのアメリカでの接種をされた症例の実績では、効果も持続して得られ、副作用(ワクチンでは副反応といいます)も一般的なワクチンでも見られるようなアレルギー反応が同様の確率で起こるのみのようですので、日本でも接種ができる体制が早く整うことが望まれます。ある程度以上の割合の人がワクチンで免疫を獲得できれば、感染拡大も収束の方向に向かうと期待されています。

また、治療に関しては既存の薬剤を適材適所で使うことで重症化させない治療方法が確立されつつありますが、それでも一定の割合で重症化が避けられないケースもあるようです。決定的な効果のある新たな治療薬の開発は、ワクチンの開発よりもさらに難しく、時間がかかると考えられています。

以上、新型コロナウイルスに関する最新の情報を含めた現状をまとめてみました。感染予防については、当初から言われていたことが正しかったことが再認識できたと思います。

常に緊張が強いられる毎日ですが、引き続き各自が感染をしないための心がけを徹底して、感染拡大防止に努めましょう。そして皆様にご協力いただいていること、改めて医療従事者として心から感謝申し上げます。