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東戸塚 眼科 片桐眼科クリニック|東戸塚駅 西口より徒歩1分 モレラ東戸塚3階

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院長ブログ

ついに来た!(クリニックシアターの実現を目指して)

今まで私は映画好きを公言してまいりました。(過去のブログやYouTube→例1「映画と英語」 例2「目が印象的な映画Best3」 例3「見えなくても映画を楽しむ方法」 それぞれクリックでリンク)

それは、私自身が映画を通じて素晴らしい体験をしてきたからです。夢のような世界、深く考えさせられる人間ドラマ、普段体験できないような極限の状況、見たこともない生物、宇宙へ、深海へ、世界中のいたるところへ…笑って、泣いて、憤って、ワクワクして…すべての映画で、作り手の「観る人を感動させる」意図が伝わってきます。

そんな感動を、視力に障害がある人たちとも共有したいと、東京の田端で「チュプキ田端」というユニバーサルシアターを経営している平塚千穂子さんや視覚障害者向けの音声解説アプリの「UDキャスト」を開発、運営している会社「パラブラ」の松田高加子さんにお声がけして(過去のブログ→クリックでリンク、当院でも視力障害のある方(可能であれば聴力障害の方も)を対象にした、音声解説つき(できれば字幕も)の映画鑑賞会を開催したいと、かねてから計画をしておりました。

眼科の診察で必須なのは視力検査です。視力検査の測定では、5m離れた視力表を使うのが正式な(正確な)方法です。そのためのスペースが必要で、当院は狭いクリニックですが、検査室だけは十分な広さを確保しています。色々検証しますと、検査室の機器を片付けて、壁の一面を有効に使うと、何と画面サイズ200インチのスクリーン代わりになることが分かりました。

早速(と言ってももう2年前になりますが)、ホームシアターの業者さんに来てもらい、実際にプロジェクターやスピーカーが設置できるか下見をしていただきました。

実際にプロジェクターも持ってきて下さったので、機器を片付け、壁面に投射してみました。すると、想像以上にすごい迫力!これは期待が持てます。

ところが、本格的なプロジェクター(SONY製)は当然大きくて15kgくらいと重く、天井から吊り下げるのでは地震などを考えた場合に危険で、設置は難しいということになりました。念のため試算していただいた見積もりも、プロジェクターとスピーカーやアンプなどの機器と工事費で100万円!…断念せざるをえませんでした。

その後、コロナ禍で密を避ける必要があり、多くの人が一つの部屋に集まるクリニックシアターの企画は当分実現不可能となりましたが、その間もどうにかして実現できないか色々アンテナを張り巡らしておりましたところ、朗報をキャッチしました。

1つはプロジェクターです。YouTubeで紹介されていた中国製のプロジェクターがなかなか性能が良さそうで、持ち歩き可能なくらいコンパクトなのに、200インチの大画面も映写できるようなので、早速買ってみました。試してみたところ、さすがにSONY製のようにはいきませんが、充分鑑賞に耐えられるクオリティでした。

ところが問題は「音」でした。私が普段使っているbluetoothで接続できるスピーカーが使えないかと試してみましたが、音が遅れてしまいます。銃口がピカっと光ってから、0.5秒後に「バン」。これでは興ざめしてしまいます。それに、スピーカー単体ですと、音の広がりがなく、臨場感が物足りません。特に視覚障害の方には、声や音が映画の世界に入り込むには大切な要素になりますので大切です。

悶々としていたところ、また朗報が。日本の音響機器メーカー、その名もONKYOが、遅延のない新しいケーブルレスのホームシアタースピーカーセットを発売予定で、クラウドファンディングで募集していたので、早速申し込みました。

申し込み順に送られてくることになっていたので楽しみに待っていたのですが、待てど暮らせど届きません。実はコロナ禍による半導体不足の影響で、生産数が当初の予定よりかなり制限されているとのこと。ひたすら待つより仕方がありません。

そして、ついにその日はやってまいりました。

土曜の診療終了後に早速セッティングしてみました。ケーブルレスとはいっても、6つのスピーカー(前の左右とセンター、後ろの左右、低音を出すサブウーハー)にそれぞれ無線用の電源をつなぐ必要がありましたが、何とちょうど置く場所それぞれにコンセントが!まるでこのスピーカーをつなぐために12年前クリニックを設計したみたいです(笑)。

すべてのスピーカーが正常に鳴り出すまで少し工夫が必要でしたが、無事接続できました。そして、いよいよ念願の「クリニックシアター」でDVDを再生してみました。

思った以上に、すごい迫力!近いところで観ていたこともあり、画面が迫ってきて臨場感が(今風に言うと)ハンパないです。戦闘シーンなどはお隣のクリニックに大音量がご迷惑にならないか心配しましたが、土曜の遅い時間でちょうど診療が終了していました。でも、今後の検証が必要そうです。

何より助かったのは、プロジェクターとスピーカーシステムを合わせても、業者さんに頼むよりずっとずっと安く上がったことでした。アンプも不要で音量調節はスマホ1つでできてしまいます。

夢の実現までもう少し。コロナが終息して、皆さんに安全にお集まりいただけるようになったら、東戸塚クリニックシアター、開演いたします!

追伸:先日、ONKYOさんが音響機器(オーディオ関係)から撤退するという発表がありました。今回使わせていただいたスピーカーセットは、もしかしたら最後の製品になるかもしれません。昔からのオーディオファンである私としては、馴染みのあるメーカーがまた一つ消えてしまうのは、なんとも寂しい限りです。