どうして観てしまうんでしょう…お正月の箱根駅伝。
他に観るべき番組がないというのもありますが、テレビをつけるとついつい見入って、ゴールまで観てしまいます。
以前のブログにも自分の駅伝の苦い思い出を少し書きましたが(→クリックでリンク)私自身は走るのが大変苦手なため、もう自分で長距離を走ろうとは思いません。ですが、自分の母校が出ている訳でもないのに、箱根駅伝だけは毎年観てしまうのです。
実は箱根駅伝のコースは、クリニックの傍を通ります。当院に通院されている近隣の方は既にご存知だと思いますが、鶴見中継所から戸塚中継所までの往路2区と、翌日はその反対の復路9区の国道1号を通るルートです。特に2区は「花の2区」と呼ばれ、「権太坂」という難所があり、各校のエースランナーが走ります。
そのランナーが走るコースまで、クリニックから歩いて15分ほど。駅伝の行われる1月2日、3日は休診日ですが、診療以外の仕事で出勤しているときに、仕事場のテレビでタイミングを見計らってこれまで何度か応援に出掛けていきました。
テレビの実況ではわからないことに、現場で観ていると気づくことがあります。
まずランナーの速いこと!当たり前ですが、立ち止まって応援している私たちの前を一瞬にして通り過ぎていきます。中継ではずっと追いかけて解説も付きますので、激しい競り合いなどが感じられますが、現場で観ていると「一陣の爽やかな風のごとく」、といった感じです。
そしてもう一つは、チームの監督さんが伴走車から常に選手に声をかけていることです。中継でも時々入りますが、本当に「常に」声がけをしています。これがどれだけ選手にとって心強いかは想像に難くありません。
最近、「おまえ男だろ!」という声掛けが中継に乗ってしまい、時代錯誤だと批判を浴びた監督さんもいましたが、ギリギリで死に物狂いで今にも挫けそうな選手の気持ちを鼓舞するためなら何だって、という監督さんの気持ちも分からないではありません。
その点、今回ぶっちぎりで復活優勝を遂げた青山学院大学の原晋(はら・すすむ)監督は、選手からの信頼度といい実績のないところからの積み重ねで残した輝かしい成績といい、組織のトップとしての姿勢は本当に学ぶべきことが多いと感じます。
「今日の常識は明日の非常識。改革なくして発展はない」「学生に対しては心に響かせる話術が大切」「絆というキーワードで、たすきをつなぐことを通して世界平和の一助になれば」などなど、教え子でなくても心酔してしまいます。彼の著書「フツーの会社員だった僕が、青山学院大学を箱根駅伝優勝に導いた47の言葉」を読むと、駅伝の強いチームを作ることも、強い組織(例えばクリニックの院長とスタッフ)を作るのも、基本は全く同じことが分かります。
実は私、原監督と同じ年齢なのに今回気づきました。今までは自分の同世代の代表として「桑田・清原(いわずと知れた野球のPLコンビ)」だよと言っておりましたが、今後は「青学の原監督と同い年」って言ってしまいそうです。ライバルというにはおこがましいですが、その常に前向きな姿勢を参考に、今後もその動向を注視していきたいと思います。
現場でも中継でも、原監督の伴走車からの声掛けはほんのわずかしか聞くことができませんが、ぜひドキュメント番組などでその一部始終を聞いてみたいものです。