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院長ブログ

ユニバーサル・シアター行ってきました

これまでも何度か紹介しましたが、東京の田端にあります映画館「シネマ・チュプキ・タバタ」さんに先日行ってまいりました。

ここは日本で唯一のユニバーサル・シアター。見えない人も、聞こえない人も、赤ちゃんをつれた子育て中の人も、そして一般の人も一緒に映画を楽しめる映画館です。(詳しくは「見えなくても、映画を楽しむ方法」→クリックでリンク「続・見えなくても、映画を楽しむ方法」→クリックでリンク をご一読ください)

支配人の平塚千穂子さんにも久しぶりにお会いできました。平塚さんには、なかなかできないままでいましたが、当院で2月についに!開催予定の「クリニック・ユニバーサル・シアター」(→クリックでリンク)についての準備に全面的にご協力いただいております。

今回も、当院の上映会で使用する音声ガイド付きソフト(DVD)を受け取りに伺いました。そのついでではないのですが、上映中の映画も、音声ガイド付きでみせていただきました。

上映されていたのはチャップリンの特集で、私が観た映画は「街の灯」。目の見えない花売り娘に恋をしたチャップリン扮する浮浪者が、身なりを偽ってあの手この手で彼女の生活費や治療費を工面し、そのおかげで最新の医学で見えるようになった娘が開店した素敵な花屋の店先で、ボロボロの服を着たチャップリンに再会する…というお話。平塚さんには「私が活動をはじめたきっかけにもなった映画ですし、眼科クリニックの片桐先生に観ていただくのも、なんだか「ご縁」だな〜と、感じます」とのお誘いを受けたのでした。

実はこの「街の灯」。私が初めて映画館で観たチャップリン映画(もちろんリバイバル上映でしたが)で、チャップリンの数ある中でも最も好きな映画でもありました。チャップリンのコミカルなしぐさ、表情、笑わせるアイディア満載に、劇場でお腹がよじれるほど爆笑した思い出があります。そんな映画を、チュプキ・タバタさんで音声ガイド付きで観られるなんて、本当にご縁を感じました。

一方で、この映画はいわゆる「サイレント映画」で、音声はほぼ音楽のみ、セリフや解説は場面と場面の間に字幕で出るだけです。そして何よりも、チャップリンの動きを徹底的に「見せる」ことで笑わせるスタイルを、どのように音声解説するのだろうか…果たして見えない人にその面白さは伝わるのだろうか…と、ユニバーサルスタイルの上映には一抹の不安もよぎります。

結果的には、音声解説でも大変楽しめました。音声解説を担当しているのが、バリアフリー活弁士の檀小太郎さん。その舌の良く回ること回ること…。チャップリンのコミカルで素早い動きを余すところなく、そしてその雰囲気まで伝わるように解説に乗せてくれます。

では、実際に画面を観ている私が目をつぶって、音声解説だけでその画面をそのまま再現できるか…というと、さすがにそのような訳にはいきません。それでは、見えない人にはおもしろさが充分伝わらないのでは…?

その答えは平塚さんが出演したNHKテレビのインタビューがヒントになります。「ユニバーサルシアターでは、みんなが同じレベルを目指さなくてもよいと思っています。その方それぞれの楽しみ方を見つけてもらえば、それでよいと思います。」なるほど、ユニバーサルって、奥が深いですね。

さて、無事にDVDもいただいて、当院の「クリニック・ユニバーサル・シアター」の準備も着々と進んでおります。今回は初回ということもあり、既に受診中の患者様の中からこちらでお声がけした方をご招待する形で上映をいたします。新型コロナなどで延期を余儀なくされ、やっと実現間近になりました。現在私もスタッフも、意気込んで準備に励んでおります。そしてその様子は、このブログでも追ってご報告いたします。

なお今回このブログをお読みいただいて、ユニバーサル・シアターに是非参加してみたいと思われた方は、大変申し訳ありませんが次回企画する際(日付等はまだ未定です)にお声がけいたしますので、ご受診の際に院長かスタッフに遠慮なくお声がけください。